年間約5万人の高校生が中途退学をしています。
通信制高校に通う学生のなかには、全日制高校を辞めた方も多くいます。
中途退学した人は、どのような理由で全日制高校を退学したのか調べました。
目次
高等学校を中退した理由ベスト5
理 由 | 人 数 | ||
1 | 学校生活・学業不適応 | 約17,000人 | 35% |
2 | 進路変更 | 約17,000人 | 34% |
3 | 学業不振 | 約4,000人 | 8% |
4 | 家庭の事情 | 約2,300人 | 5% |
5 | 病気・けが | 約2,000人 | 4% |
その他に経済的理由や問題行動等の理由で中退した生徒が約7,400人います。
1位 学校生活・学業不振と進路変更
1位は、学校生活・学業不振です。
学校生活、学業不振の中での一番多い理由は、『もともと学校生活に熱意がない、高校に通うことに意義を感じない』というものでした。
これに続き、『授業に興味がない』『人間関係がうまく保てない』『学校の雰囲気が合わない』という理由があがりました。
繰り返される学校生活に嫌気がさしてしまう、という経験は誰もが一度はあるものなのかもしれません。個人差はありますがその嫌気がとても大きくなっていくと学校に通う目的を見いだせず、やる気がなくなり退学を選択するという道を辿るようです。
また、学校生活は1クラス30人ほどが集まり生活します。明るいタイプの人もいれば人付き合いが苦手な人もいます。人間関係のトラブルは、私たちが他人と生活している以上、避けることは難しい問題です。
特に学生時代は学校という決められたコミュニティで過ごすので、そこで人間関係がうまくいかないと精神的につらいものがありますね。
授業に興味が沸かないという方も多くいます。学校は友達やクラスメイトと楽しむ場でもありますが、1限~6限まで勉強を行うところ。ちょっと勉強が嫌な人は、結構いると思いますがそれが苦痛とまでいくと行くのが嫌になる学生も多いようです。
2位 進路変更
1位とほぼ変わらない人数の方が進路変更を理由に中途退学を選択しています。
進路変更を理由に退学した方は、『別の高校に入学』『就職を希望』『高卒程度認定試験を受験』を選択する方が多くいます。
学校の雰囲気が合わないと感じ、学校を変える方、学業よりも仕事を選択し辞めた人がそれぞれ6,000人ほどで多い理由です。
校則がとても厳しい学校に入り、きつくなって転向や留学をする生徒もいるようです。
高校卒業程度の知識があることを証明する『高卒程度認定試験』を受ける方も多くいます。『高卒程度認定試験』を受験することによって、進学の道も開けます。ですがこちらの試験は「高校卒業程度の学力がある」と認められるだけで学歴ではありません。高等学校卒業資格を取得できません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
3位 学業不振
高等学校は義務教育ではないため、出席日数を満たし、テストで合格点を取らないと卒業できません。
学校の授業をさぼりがちになったり、勉強をしないでテストで点数を取れなかったりと単位不足で退学している生徒も毎年多くいます。
全日制高校では、単位がとれないと卒業はもちろん進級することもできません。留年してまた一年、ひとつ下の学生と一緒に勉強をし直すことは、気持ち的にも「しんどい」と思う方が多く、退学を選択する学生が多いです。
4位 家庭の事情
家庭の事業で退学を選択する生徒は全体の5%と割合からみれば少ないですが、約2,300人ほどいます。
ここには経済的理由は含まれないため(経済的理由はその他)、引っ越しや出産などが挙げられます。
5位 病気・けが
生まれ持った持病がある方、入院しがちな方。また不慮の事故で学校に通うことが困難になってしまう方います。
やはり登校することが重要な卒業な条件である全日高校なので身体的にきついかたにとってもは、厳しい現実です。
ですが、しばらく休んでから、学校に通いなおしたり、通信制高校に編入したりと選択はたくさんあります。
通信制高校にいくと、病気が理由で通信制を選択した学生もいます。ひとそれぞれライフスタイルが違いますが、通信制高校は比較的自分のペースで過ごせるところが魅力ですね。
まとめ
単位不足で卒業できないから、中退という学生よりも、学校に通うことに意味を見いだせないなどの理由から、自ら辞める方がダントツで多い理由でした。
その背景には、価値観の多様化があると思います。みんな通っているから通う、という考えどんどん減っていき、個人のしたいようにする!という風潮が広まってきているのだなと肌で感じます。
自分らしく学べ、自由に時間を使える通信制高校を選択する方も多くいます。
様々な理由で高校を中途退学する生徒がいますが、自分の納得できる道を選択することが大切です。