高等学校修学支援金とは、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図りる制度です。この制度は、全日制高校でも通信制高校でも利用することができます。
受けるには世帯年収などの条件をクリアする必要があります。
通信制学校に入学する際は事前にこの制度のことをしっておきましょう。
目次
高等学校就学支援金とは…?!
高等学校就学支援金は、高等学校の費用を国が一部負担する制度です。
日本では中学校までが義務教育であり、高等学校は自由意志に定められています。
ですが高等学校に入学する方は全体の98%に達しています。
戦後日本では、学びたくても学べない家庭の子供がたくさんいました。
そして学ぶことができないと就職先なども狭まり、学校に通った学生との貧富の差が開く負のスパイラルに入ってしまうことが多くなってしまいます。
学びたい!と思う学生が経済的理由で学べない…!ということが起きないように、作られた制度です。
就学支援金がもらえる条件は?
就学支援金がもらえる学校
国立・私立高等学校(全日制、定時制、通信制) ※専攻科・別科を除
国立・私立中等教育学校の後期課程 ※専攻科・別科を除く
国立・私立特別支援学校の高等部国立・公立・私立高等専門学校(1年生~3年生まで)
国立・公立・私立専修学校の高等課程
国立・公立・私立各種学校(告示指定外国人学校)
以上の学校であることが必要です。専攻科などを除けばほぼ全ての高等学校で受け取ることができます。
受け取れる期間
全日制高校は3年間、通信制高校は4年までが対象です。
留年や単位不足で期間を過ぎてしまうと支援を受け取れなくなります。
とくに通信制高校は、卒業が長引くケースも多くなりがちなので、支援を受ける際は計画的に卒業を目指すことが大切です。
日本に住んでいる
日本に住んでいることが条件です。
世帯年収910万円未満の家庭
世帯年収とは、家計をともにする世帯の年収のことです。父親と母親が共働きであったら、両親2人の年収を足した額の年収のことです。
「市区町村民税所得割額が304,200円未満」という基準が適応されるのですが、「市区町村民税所得割額が304,200円未満」になるのが、だいたい年収910万円未満と同じくらいとなります。
また家族構成や、高校生となる学生が成人しているかいないかでも世帯年収の定義は変わってきますので、確認しましょう。
親が離婚してる場合 | 主に生計を共にしており養育をしている親の収入が世帯年収となる |
祖父母と同居の場合 | 主な養育者である父・母などの収入が世帯年収となる |
入学者が20歳以上の場合 | 自分の生計を維持している人の年収か、自分の収入のみが世帯年収となる |
実際に高等学校修学支援金どのくらいもらえるの?
支払われる金額は公立と私立で異なります。
公立 74単位、年間30単位まで | |
定額授業料の場合 | 520円/月 |
単位授業の場合 | 520円/月 |
私立 74単位、年間30単位まで | |
定額授業料の場合 | 9,900円 |
単位制授業の場合 | 4,812円 |
通信制高校では、単位制の制度を採用しているところがほとんどです。
世帯年収が低い場合増額されます
世帯年収 | 加算倍率 | 1単位に支給される上限金額 |
年収250万円未満程度
(市町村民税所得割 非課税)の世帯 |
2.5倍 | 12,030円 |
年収250~350万円未満程度
(市町村民税所得割額 5万1,300円未満)の世帯 |
2.0倍 | 9,624円 |
年収350~590万円未満程度
(市町村民税所得割額 15万4,500円未満)の世帯 |
1.5倍 | 7,218円 |
1単位の金額が上限金額よりも低い場合は、その金額までしか受け取れません。
世帯年収は参考であくまでも税金の納めている基準できめていきます。詳しくは行政に確認しましょう。
高等学校就学支援金を受けるためにすること
入学時(4月)にこちらの書類を学校等に提出する必要があります。
〔課税証明書等で所得要件を確認する場合〕
・受給資格認定申請書(学校を通じて配布されます。)
・市町村民税所得割額・道府県民税所得割額が確認できるもの(市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等)
〔マイナンバー(個人番号)で所得要件を確認する場合〕
・受給資格認定申請書(学校を通じて配布されます。)
・マイナンバーカードの写し等(マイナンバー通知カードの写し、マイナンバーが記載された住民票等)
✔課税証明書等で所得要件を確認し、受給資格の認定を受けた場合は、原則、毎年7月に下記の書類を学校等に提出していただく必要があります。(所得基準の判断方法や具体の期限については各学校、都道府県によって異なります。)
✔収入状況届出書(学校を通じて配布されます。)
✔市町村民税所得割額・道府県民税所得割額が確認できるもの(市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等)
マイナンバーで所得要件を確認する場合は、一度書類を提出すれば、追加の書類提出は必要ありません。
まとめ
以上が高等学校就学支援金についての概要です。
入学時に申請する必要があるので入学前に事前に調べることが大切です。
通信制高校の場合は入学から4年間が受け取れる期限となっているので計画的な学習計画をたてて4年以内に卒業するように目指しましょう。
各自治体により、異なることもあるようなので、ご自身の住んでいる地域の自治体、学校に事前に問い合わせをするようにしてください。